消費者のライフステージによって、ニーズや購買行動は大きく変わります。今回は、ライフステージごとの家計状況と消費特性を整理し、効果的なマーケティング戦略に役立つヒントをお届けします。
ライフステージ×消費行動マトリクス
ステージ | 家族構成 | 家計の状況 | 消費の特徴(マーケティング観点) |
---|---|---|---|
独身段階 | 結婚前の独身者 | 所得は低いが、負債もなく貯蓄の必要性も感じにくい。 | 【狙い目】 車、ファッション、レジャー、外食。「体験型」「自己表現」がキーワード。SNS映え、ブランド志向が強め。 |
新婚段階 | 子供のいない新婚の夫婦 | 共働きで可処分所得が増加。生活は安定。 | 【狙い目】 車、ファッション、レジャー、耐久財(家具、家電)。「二人の生活を豊かにする」提案が効果的。 |
満杯の巣1 | 未子が未就学の夫婦 | 子育てのため妻が退職し所得減少。教育費や生活費が増える。 | 【狙い目】 ベビー用品、教育関連、耐久財、住宅関連。「安全・安心・育児サポート」「家族向け」で信頼感が大事。 |
満杯の巣2 | 未子が就学期に進んだ夫婦 | 夫の収入増、教育費がさらに増加。 | 【狙い目】 食費、教育費、保険料中心。レジャーは控えめ。「教育・将来設計」「家計の見直し」が関心事。 |
満杯の巣3 | まだ扶養する子供を持つ中年の夫婦 | 子供の成長で教育費のピーク。老後資金も意識し始める。 | 【狙い目】 教育費、保険料、耐久財、旅行、レジャー、住宅ローン返済。「二世代」「教育×老後準備」の両立提案が有効。 |
空の巣1 | 子供が自立した夫婦(現役) | 子供の教育費が減り、自由に使える所得が増加。 | 【狙い目】 旅行、趣味、住宅リフォーム、セカンドハウス。「自分たちの時間・人生の質向上」提案が刺さる。 |
空の巣2 | 子供が自立した夫婦(退職) | 退職後、収入減少。貯蓄や年金生活に移行。 | 【狙い目】 旅行や趣味に支出しつつ、医療費や健康関連支出も増加。「健康・安心×趣味」の両立がポイント。 |
老齢単身1 | 配偶者を亡くした高齢単身者(現役) | 生活のため一定の収入はあるが、貯蓄重視。 | 【狙い目】 医療費、介護費用、生活必需品、趣味。「健康維持」「孤独対策」「地域コミュニティ参加」がカギ。 |
老齢単身2 | 配偶者を亡くした高齢単身者(退職) | 収入減少し、生活費や医療費が中心に。 | 【狙い目】 医療費や介護費用中心。緊急時の支出も意識。「安心・備え」「生活サポート」が重要。 |
マーケティング戦略への示唆
1. ライフイベントに合わせたタイミング訴求
結婚、出産、子供の進学、退職といったライフイベントは消費行動が大きく変わる瞬間。ターゲット層のライフイベントを捉えたタイミング施策が効果を発揮します。
2. 感情に寄り添うメッセージ設計
各ステージごとに「自己実現」「家族の安心」「健康への不安」など、感情のトリガーは異なります。心に響くコピーやクリエイティブで訴求することが重要です。
3. チャネル・メディア選定
若年層はSNS、育児世代は口コミ・レビュー、中高年層はテレビ・新聞・地域密着型メディアなど、ライフステージごとに有効なチャネルが変わります。的確な選定が成功の鍵。
まとめ
ライフステージごとの消費行動を理解することで、ターゲットに「響く」商品設計やプロモーションが可能になります。市場の細分化とパーソナライズがますます重要となる中、消費者のライフサイクルを意識したアプローチで、マーケティング戦略を一歩進化させましょう!