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【統計検定2級】和と差の確率変数の性質(正誤問題)

確率変数 $X, Y$ は互いに独立に平均0、分散 $\sigma^2 (>0)$ の正規分布に従う。
このとき $U = X + Y$、$V = X – Y$ とおく。

次の各記述が正しいか誤っているか答えよ。


  1. 確率変数 $U$ と $V$ の平均はどちらも 0 である。
  2. $U$ と $V$ の分散はそれぞれ $2\sigma^2$ である。
  3. $U$ と $V$ の共分散は $0$ である。
  4. $U$ と $V$ は互いに独立である。
  5. $U$ と $V$ はいずれも正規分布に従う。

各記述の正誤確認

  1. $U$ と $V$ の平均はどちらも 0
     → 正しい(独立に平均0の正規分布だから)。
  2. $U$ と $V$ の分散はそれぞれ $2\sigma^2$
     → 正しい。実際に計算すると
     $\mathrm{Var}(U) = \mathrm{Var}(X+Y) = \sigma^2 + \sigma^2 = 2\sigma^2$
     $\mathrm{Var}(V) = \mathrm{Var}(X-Y) = \sigma^2 + \sigma^2 = 2\sigma^2$。
  3. $U$ と $V$ の共分散は 0
     → 正しい。計算すると
     $\mathrm{Cov}(U,V) = \mathrm{Cov}(X+Y, X-Y) = \sigma^2 – \sigma^2 = 0$。
  4. $U$ と $V$ は互いに独立である
     → 誤り。
     正規分布同士であっても「共分散が 0 ⇒ 独立」とは限らない。今回の $U, V$ は線形結合なので完全には独立でない。
  5. $U$ と $V$ はいずれも正規分布に従う
     → 正しい。線形結合だから正規性は保たれる。