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Mobius Outcome Deliveryとは? ― 成果を中心に据える“アウトカム思考”の6ステップ

こんにちは!今回は、最近注目されているフレームワーク 「Mobius Outcome Delivery(メビウス・アウトカム・デリバリー)」 についてご紹介します。


「機能を作ったけど、ユーザーに使われない」 「プロジェクトは完了したけど、何の成果にもつながらなかった」

そんな経験、ありませんか?

Mobiusは、**「何を作るか」ではなく「どんな行動変容を起こしたいか」**を起点にしたフレームワークです。 ビジネス、プロダクト、サービス開発のいずれにも応用可能です!


🌀 Mobius Outcome Delivery の6つのステップとアウトプット

Mobiusは「成果(アウトカム)を中心に据えたプロダクト開発・価値創出フレームワーク」であり、以下の6ステップで構成されます:


✅ ① Purpose(目的の明確化)

🎯 目的:

プロジェクトや取り組みの「Why」を明らかにし、共通認識を形成する

📦 アウトプット:

  • ビジネス目的・ミッションの明文化(例:〇〇の課題を解決して、〇〇の成長を促進する)
  • ステークホルダーマップ・関係者リスト
  • 合意された目的文(ステートメント)
  • 問題に対する仮説(Problem Hypothesis)

✅ ② Outcomes(成果の定義)

🎯 目的:

ユーザーやビジネスにとって意味のある「望ましい変化(アウトカム)」を定義する

📦 アウトプット:

  • 明文化されたアウトカム(例:ユーザーが毎日ログインするようになる)
  • 行動変容リスト(Behavior Changes)
  • アウトカム仮説セット(Outcome Hypotheses)
  • ステークホルダーごとの期待成果マッピング

✅ ③ Measures(成果の測定方法)

🎯 目的:

「成果が出たかどうか」をどう測るかの指標(メトリクス)を定義する

📦 アウトプット:

  • アウトカムに対応したメトリクス(Outcome Metrics)
    • 例:継続率、行動数、時間短縮など
  • Before/Afterで比較できるデータの定義
  • 計測計画(どうやって/いつ/誰が測るか)
  • バリュートラッキングシート(KPIとは異なる指標)

✅ ④ Ideas(アイデアの発散)

🎯 目的:

定義したアウトカムを達成するためのアイデアを広げる

📦 アウトプット:

  • アイデア一覧(施策候補のブレスト結果)
  • インパクト vs 実現コストマトリクス(Impact/Effort Matrix)
  • ストーリーカードや仮機能一覧
  • 優先順位付けされた施策案リスト

✅ ⑤ Experiments(実験による検証)

🎯 目的:

アイデアの有効性を小さなスケールで検証し、学びを得る

📦 アウトプット:

  • 実験設計書(検証内容・対象・評価軸)
  • 実験仮説(If〜Then〜)と検証計画
  • 実施結果レポート(定量・定性フィードバック)
  • 学習ポイントと次のアクションへの示唆

✅ ⑥ Delivery(価値の提供)

🎯 目的:

学びを反映し、本番でユーザーに価値を届ける

📦 アウトプット:

  • 本番リリース計画
  • 成果報告(アウトカム実現の有無)
  • 利用状況データ(エビデンス)
  • 組織学習レポート(次サイクルへの学び)
  • Outcomeレベルでの評価とフィードバック

🧠 補足:Mobiusのポイント

  • 成果(アウトカム) ≠ 成果物(アウトプット)であることが本質。
  • 「施策(アイデア)」に飛びつく前に、「目的」と「行動変容の定義」から始める。
  • アジャイルやリーンとも高相性。「デリバリーして終わり」ではなく、学びによる改善ループを前提とした構造。