◆ 生産者(メーカー)が流通業者を介在させることには、多くのメリットが存在する。以下にその内容を整理する。
1. 流通業者を介在させるメリットの背景
- 多くの生産者は、自社の製品・サービスを消費者に直接販売するのではなく、流通業者に委ねている。
- その理由は、消費者の需要特性や流通構造に起因する。
- 一方で、流通業者に委ねることには販売データの喪失や価格コントロールの難化といったデメリットもある。
2. 主なメリット(4点)
以下の4つの側面から整理できる。
① 消費の小規模分散性に対応できること
- 消費者の需要は地域的に細かく分散している。
- 流通業者が存在することで、全国規模での販売網を構築しなくても、小規模市場に対応できる。
- これは(空欄①)への対応と呼ばれる。
② 資金調達やリスクの負担を軽減できること
- 生産者が全国的に販売拠点を自前で確保する場合、多額の投資が必要になる。
- 流通業者に販売を任せれば、資金負担や(空欄②)を軽減できる。
③ スピーディーな事業展開が可能になること
- 販売チャネルを自力で整備するには時間がかかる。
- 流通業者に買い取ってもらうことで、短期間で(空欄③)を実現できる。
④ 社会的品揃えを実現できること
- 流通業者は多様な生産者の製品を取り揃え、消費者に幅広い選択肢を提供できる。
- これにより、社会的に必要とされる(空欄④)が形成される。
3. メリットとデメリットの対比(表)
観点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
小規模分散対応 | (空欄⑤)を可能にする | なし |
資金・リスク | 投資負担の軽減 | 流通マージンの発生 |
スピード | 短期での市場展開 | 店頭での価格政策を(空欄⑥) |
品揃え | 社会的品揃えを実現 | 販売データの収集が(空欄⑦) |
4. 日本の小売業の事例
- 日本の小売業は、長年にわたり多数の流通業者が消費の小規模分散性に対応してきた。
- 一方で、事業規模拡大に成功したチェーン・ストア方式では、本部で集中的に仕入れを行い、(空欄⑧)を実現している。
- コンビニエンス・ストア、スーパー、ファストフードなどが典型的事例である。
5. まとめ
- 流通業者を介在させるメリットは、
1. 小規模分散対応
2. 資金・リスク軽減
3. 迅速な事業展開
4. (空欄⑨)の実現
の4点に整理できる。 - ただし、販売データの喪失や(空欄⑩)の制御困難といったデメリットも存在する。
【設問】次の各空欄①~⑩に入る適切な語句を、下記の選択肢ア~エの中から選びなさい。
空欄①の選択肢
ア. 消費の小規模分散性
イ. 社会的品揃え
ウ. 規模の経済性
エ. ディスインターメディエーション
空欄②の選択肢
ア. 投資リスク
イ. 消費データ
ウ. 品揃えの多様性
エ. 店舗ネットワーク
空欄③の選択肢
ア. スピーディーな展開
イ. コスト削減
ウ. 消費者調査
エ. 顧客ロイヤルティ
空欄④の選択肢
ア. 社会的品揃え
イ. 規模の経済性
ウ. チャネル統制
エ. 資本回転率
空欄⑤の選択肢
ア. 小規模市場への対応
イ. マスマーケティング
ウ. 流通マージン削減
エ. 生産コストの削減
空欄⑥の選択肢
ア. コントロールしやすくなる
イ. コントロールしにくくなる
ウ. 消費者に直接届く
エ. 投資負担を軽減する
空欄⑦の選択肢
ア. 容易になる
イ. 難しくなる
ウ. 迅速になる
エ. 標準化される
空欄⑧の選択肢
ア. 規模の経済性
イ. 消費の小規模分散性
ウ. データ主導型マーケティング
エ. チャネルの複雑化
空欄⑨の選択肢
ア. 社会的品揃え
イ. チャネル統合
ウ. 投資回収
エ. 消費者主導マーケティング
空欄⑩の選択肢
ア. ブランド戦略
イ. 価格政策
ウ. プロモーション戦略
エ. 顧客対応
模範解答
- 空欄① → ア. 消費の小規模分散性
- 空欄② → ア. 投資リスク
- 空欄③ → ア. スピーディーな展開
- 空欄④ → ア. 社会的品揃え
- 空欄⑤ → ア. 小規模市場への対応
- 空欄⑥ → イ. コントロールしにくくなる
- 空欄⑦ → イ. 難しくなる
- 空欄⑧ → ア. 規模の経済性
- 空欄⑨ → ア. 社会的品揃え
- 空欄⑩ → イ. 価格政策
解説(要点整理)
- ①消費の小規模分散性
需要は地域的に分散 → 流通業者を介在させることで対応可能。 - ②投資リスクの軽減
全国に販売拠点を確保するための資金負担を流通業者が肩代わり。 - ③スピーディーな展開
流通業者に任せることで短期間で市場展開が可能。 - ④社会的品揃えの実現
消費者は多様な選択肢を享受できる。 - ⑤小規模市場への対応
局地的需要にも流通網を通じて柔軟に対応できる。 - ⑥価格政策の制御困難
流通業者が間に入ると価格政策を直接コントロールしにくくなる。 - ⑦販売データの取得困難
流通業者に委ねることで、生産者は店頭データの収集が難しくなる。 - ⑧規模の経済性
チェーンストア方式では仕入れを集中化 → コスト低減を実現。 - ⑨社会的品揃え
流通業者の重要な機能であり、消費者に幅広い選択肢を提供。 - ⑩価格政策の制御困難
流通業者に依存すると、価格設定を直接決定できなくなる。