1. 広告目的の分類と概要
広告目的とは「一定期間内に達成すべき特定のコミュニケーション・タスク」のことで、主に以下の3つに分類される。
広告目的の種類 | 主な内容と目的 |
---|---|
情報提供型広告 | 新製品・新カテゴリー導入時などに、製品やブランドの存在・価値を認知させる |
説得型広告 | 他ブランドとの違いや価値を訴求し、競合との差別化や購買意欲の喚起を図る |
リマインダー広告 | 成熟期のブランド向け。既存顧客の想起・再購買・ロイヤルティ維持を目的とする |
選択肢の誤り例
- 「リマインダー広告は新製品に対して用いられる」は誤り。これは「情報提供型広告」の説明。
- 「マーケットリーダーが市場に自社の優位性を納得させる」が目的なのは正しくない。成熟期ではリレーション維持が重視される。
2. 広告予算の決定要因(5つの規準)
広告目的が定まった後、広告予算は以下の5つの要素から設定される。
規準項目 | 説明 |
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① 製品ライフサイクルの段階 | 新製品は多額の広告が必要だが、成熟ブランドは売上比で広告費割合が小さい |
② 市場シェアと消費者の基盤 | シェア拡大目的では広告費は増加。高シェアブランドは維持のための広告費割合は小さい |
③ 競争企業と広告の状況 | 競争が激しい市場ではブランド認知のための広告投資が必要 |
④ 広告の頻度 | 繰り返し広告するほど顧客の理解・記憶に残るため、適切な頻度の設定が重要 |
⑤ 製品の代替性 | コモディティ(代替可能)な製品では広告による差別化が不可欠。カテゴリー全体のイメージが広告要否に影響する |
3. 効果的な広告メッセージの作成
(1)クリエイティブ・コンセプトの策定
- 独自性・記憶に残る表現が必要
- 商品の本質的価値、生活との結びつき、ブランドの世界観を明確にする
(2)トーン&マナー
- 例:世界観を統一した広告(auの三太郎シリーズなど)
(3)消費者生成型メッセージ
- SNS・動画コンテンツなどを活用し、実体験を通じた「共感」を形成
- 顧客とのコミットメント向上、購買意欲の喚起に貢献