確率変数 $X, Y$ は互いに独立に平均0、分散 $\sigma^2 (>0)$ の正規分布に従う。
このとき $U = X + Y$、$V = X – Y$ とおく。
次の各記述が正しいか誤っているか答えよ。
- 確率変数 $U$ と $V$ の平均はどちらも 0 である。
- $U$ と $V$ の分散はそれぞれ $2\sigma^2$ である。
- $U$ と $V$ の共分散は $0$ である。
- $U$ と $V$ は互いに独立である。
- $U$ と $V$ はいずれも正規分布に従う。
各記述の正誤確認
- $U$ と $V$ の平均はどちらも 0
→ 正しい(独立に平均0の正規分布だから)。 - $U$ と $V$ の分散はそれぞれ $2\sigma^2$
→ 正しい。実際に計算すると
$\mathrm{Var}(U) = \mathrm{Var}(X+Y) = \sigma^2 + \sigma^2 = 2\sigma^2$
$\mathrm{Var}(V) = \mathrm{Var}(X-Y) = \sigma^2 + \sigma^2 = 2\sigma^2$。 - $U$ と $V$ の共分散は 0
→ 正しい。計算すると
$\mathrm{Cov}(U,V) = \mathrm{Cov}(X+Y, X-Y) = \sigma^2 – \sigma^2 = 0$。 - $U$ と $V$ は互いに独立である
→ 誤り。
正規分布同士であっても「共分散が 0 ⇒ 独立」とは限らない。今回の $U, V$ は線形結合なので完全には独立でない。 - $U$ と $V$ はいずれも正規分布に従う
→ 正しい。線形結合だから正規性は保たれる。