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MVVとUVPの違いと使い分け:プロダクト志向と経営戦略の交差点

プロダクトやサービスをデザイン思考やアジャイル開発で生み出す人にとって、「UVP(Unique Value Proposition)」は馴染み深い概念です。顧客に対してその製品がどのような価値を提供するかを端的に表すものであり、プロダクトの中核といえます。

しかし、上司や経営層からしばしば問われるのが「Mission」「Vision」「Value」、いわゆるMVVです。UVPとの違いや、どのように関連づけて考えるべきか迷う人も多いのではないでしょうか。


MVVとUVPの違いとは?

項目UVPMVV
対象顧客社会・社員・パートナーなど広範
時間軸中短期(プロダクト単位)長期(組織全体)
目的製品やサービスの選ばれる理由を伝える組織の存在意義・方向性・行動基準を示す
利用シーンエレベーターピッチ、LP、営業資料など採用活動、パートナー提案、経営戦略立案など
  • UVP:リーンキャンバスの「価値提案(Unique Value Proposition)」と一致。
  • MVV:ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバス全体に影響する上位概念。

MVVを明確にする構文テンプレート

Mission(使命)

私たちは【社会課題やニーズ】を、【製品・サービス】を通じて、【対象となる顧客・市場】のために解決します。

例:

  • 私たちは持続可能な社会を実現するために、シニア向けのデジタル教育サービスを提供しています。

Vision(将来像)

私たちのビジョンは、【理想の未来】を、【アプローチ・手段】によって実現することです。

例:

  • すべての世代がデジタルの恩恵を享受できる社会を、やさしく学べる技術で実現すること。

Values(価値観)

私たちは【価値①】、【価値②】、そして【価値③】を大切にし、それが【日々の行動・意思決定】に反映されています。

例:

  • 誠実さ、ユーザーへの共感、学び続ける姿勢を大切にし、それがプロダクト設計や顧客対応に活かされています。

ソフトに言い換える表現集

「停滞した日本社会」の言い換え

  • 変革が求められる日本社会
  • 新たな活力を必要とする社会
  • 成長の機会を模索する社会

「欲求」の上品な言い換え

  • ニーズ
  • 願望
  • 要望
  • 必要性

「leap frog」の簡単な言い換え

  • 飛躍的な進展を実現する
  • 一足飛びに競合を超える
  • 段階をスキップして前進する

まとめ:MVVは「社会性」、UVPは「顧客価値」

MVVは社会や組織に対する理念的な約束
UVPは顧客に対する具体的な価値提案です。

MVVは必ずしも金銭的利益を前面に出さなくても構いません。

例:

  • 「シニアのデジタルリテラシーを向上させ、新たな活力を必要とする日本社会を活性化する」

このような社会的なミッションを掲げたうえで、

  • 「結果として、ドコモ経済圏におけるシニア層のARPU向上が期待される」

という形で、ビジネス成果とのつながりを見せることが、戦略としてのMVV活用において重要です。